1日のリズムを整えて、乾燥と冷えに負けないからだへ
秋は、夏の疲れが表れやすく、昼夜の気温差や乾燥によって体調を崩しやすい季節です。体が冷えると血流が滞り、寝つきに時間がかかったり、眠りが浅くなったりすることも少なくありません。
また、空気の乾燥は呼吸を浅くし、自律神経を乱れさせる原因にもなります。
そんな秋こそ、「朝の白湯」と「夜の呼吸法」というシンプルな習慣が、眠りを深めてくれるカギとなります。

朝は白湯で体を内側から目覚めさせる
目覚めてすぐに飲む白湯は、冷えた内臓をやさしく温め、血流を促し、胃腸の働きを整えてくれます。夜の間に失われた水分を補うことにもつながり、体のめざめをやさしく後押ししてくれるので、朝の習慣としてとってもおすすめです。

How to...
沸騰させたお湯を50℃前後に冷まし、コップ一杯をゆっくり時間をかけて飲みましょう。喉を通る温かさを感じながら、体の中がじんわりと目覚めていく感覚を味わってみてください。
ヨガでも「今この瞬間を感じる」ことを大切にしますが、白湯を味わう行為そのものが、小さな瞑想のような時間になってくれます。

point!
熱すぎる白湯は胃腸に負担がかかることがあります。冷ましすぎると温め効果が弱くなることもあるので、50℃前後のやさしい温度を目安にすると安心です。
夜は深呼吸で心身をゆるめる
日中に受けた刺激やストレスは、呼吸を浅くし、自律神経を緊張モードに傾けてしまいます。眠る前に3分だけ深呼吸を意識してみましょう。
鼻から吸って、口から細く長く吐き出す。片方の手をお腹に、もう片方の手を胸に置くのもおすすめです。呼吸の流れを手のひらで味わってみましょう。お腹がやわらかく膨らんだりへこんだりするのを、手のひら感じながら行うことで、副交感神経が優位になり、自然な眠りへとつながっていきます。
How to...
2. 7秒間、息を止める
3. 口から8秒かけて、細く長く吐き出す
これを2〜3回繰り返すだけでも、心拍がゆるやかになり、頭の中も少しずつ静まっていくように感じられるかもしれません。
ポイントは「吸うこと」よりも「吐くこと」に意識を向けること。吐く息とともに、体の中の緊張やモヤモヤが外へ出ていくイメージを持つと、より深いリラックスにつながっていきます。
point!
呼吸法で苦しく感じたら、秒数にこだわらず、自分のペースで行いましょう。無理なく続けられる呼吸のリズムが、心と体をゆったりと整えてくれます。
姿勢を整えると呼吸はもっと深まる
呼吸法を行うときは、背中をまっすぐにして座るか、布団の上で仰向けになり、肩の力を抜くと効果的です。
浅い呼吸になりやすい人は、両手をお腹に添え、お腹がふくらんだりへこんだりするのを、手のひらで感じながら行ってみるとよいでしょう。
自然と呼吸が深まり、「眠りのスイッチ」が入りやすくなります。
小さな習慣が快眠を育む

「朝は白湯で内側から温める」「夜は呼吸で心をゆるめる」――この2つを習慣にするだけで、秋特有の冷えや乾燥に負けない体をつくり、眠りの質をぐんと高めてくれます。
私自身もヨガ講師として、レッスンや日常生活で呼吸法を取り入れていますが、呼吸が整うと心に余白が生まれ、眠りが深まることを実感しています。
朝の白湯と夜の呼吸法、ほんの少しの習慣を取り入れるだけで、秋の眠りはぐっと心地よくなってくれるはず。
毎日をがんばりすぎず、からだと心にやさしく寄り添う時間を、ぜひ作ってみてくださいね。
金井千佳
睡眠ヨガインストラクター/ヨガニードラ・セラピスト
米国ヨガアライアンス認定指導者200時間修了。2016年からヨガ講師として活動を始め、2020年にオンラインクラス「きがるヨガ」を開講。頑張りすぎないヨガを伝えている。東京と淡路島でのデュアルライフを楽しみながら国内外でリトリートを企画。睡眠やヨガに関するコラムを執筆し、心地よい暮らしのヒントを提案している。司会者としても活動中。































