本コラムは快眠セラピスト・睡眠環境プランナー 三橋美穂が運営するInstagramの快眠アドバイス/寝ても疲れがとれない」投稿を元に再構成いただいた内容です。
適切なストレスの解消法とは
日々の忙しさや人間関係、情報過多の生活…、ストレスは現代人にとって、切っても切れないテーマです。
HYVが運営する「the SILK BLOOM」が実施した女性を対象にしたインターネット調査によると、ストレス解消法のトップ3は、3位「趣味」、2位「睡眠・昼寝」、そして1位は「食べる・飲む」でした。
おいしいスイーツや好きなドリンクを楽しめば、一時的に気持ちはスッと軽くなるかもしれません。けれども、それが習慣になると、体重の増加や罪悪感など、かえって新たなストレスの原因になることも。
そんな中、注目したいのが「睡眠」という選択肢。実は、ストレスの根本的なリセットにもっとも効果的なのが「眠ること」なのです。
睡眠が良いとされる理由
その理由は、睡眠によってストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌が抑えられるから。コルチゾールは、心身に負荷がかかると分泌されるホルモンで、長く分泌が続くと、イライラや不安感、免疫力の低下を引き起こします。
しかし、質の良い睡眠をしっかり取ることで、このコルチゾールのレベルは自然と下がっていきます。つまり、ストレスが溜まりにくくなるのです。
食欲と睡眠の関係
さらに、睡眠は「食欲」にも影響を与えます。睡眠不足になると、食欲を刺激するホルモン「グレリン」が増加し、逆に、満腹感を与えるホルモン「レプチン」は減少します。
その結果、「なんだか口がさみしい」「甘いものが食べたい」という欲求が強まり、必要以上に食べてしまうことに。これは、いわゆる“ストレス太り”を招くメカニズムの一つです。
でも、ぐっすり眠れば、このホルモンバランスも整い、無駄な食欲が抑えられます。自然と「食べて解消」の必要がなくなり、体にも心にも優しいストレス対策となります。
まず第一に睡眠から
もちろん、趣味に没頭することや、誰かと美味しいものを楽しむことも大切な時間です。でも、「なんだか最近疲れてるな」「ちょっとイライラしやすいかも」と感じたときこそ、まずは睡眠を見直してみてください。
眠ることでストレスがやわらぎ、感情も安定し、食欲も整う——まさに一石三鳥の「睡眠ファースト」。気持ちをリセットし、前向きな気持ちで日々を過ごすために、今夜は早めにベッドに入ってみませんか?

三橋美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)
寝具メーカーの研究開発部長を経て独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。
著書に『『オトナ女子の不調と疲れに効く 眠りにいいこと100』(かんき出版)ほか多数。
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