寝る前に決まった行動を取ると、脳が入眠しやすい状態となり、寝付きが良くなると言われています。
パジャマを着ることを寝るための儀式として脳が認識できれば、パジャマを着ると脳や体が「眠る準備ができた」と認識し眠りやすくなるそうです。そこで、今回は睡眠の質を上げるための、パジャマの選び方のポイントをお伝えします。
西川ユカコ/睡眠研究家
昭和西川株式会社 代表取締役副社長 「睡眠サービスコンソーシウム」理事
「ミス日本」ファイナリスト勉強会講師 NHK文化センター青山教室講師
雑誌編集者としてハースト婦人画報社に10年間勤務。現在は昭和西川副社長として、眠りの総合サロン「ムアツスリープラボ」をプロデュースし所長を務める。
また、各界の専門家と快眠のためのグッズ開発、ホテルや施設の睡眠やお昼寝監修、各種メディアへの寄稿などを行っている。
あなたはふだん、パジャマを着て寝ているでしょうか。もしかしたら、スウェットやTシャツなどの部屋着やスポーツウェアで代用しているかもしれませんね。
しかし、睡眠の質を考えたら、やはりパジャマに軍配が上がります。
ただ、どんなパジャマでもいいというわけではなくて、いくつかの条件があります。私は以前、パジャマやルームウェアのブランドをディレクションしていたことがあり、その際に日本とヨーロッパ、アメリカのパジャマを徹底的に試しました。
ベストなパジャマを探すべく、さまざまなパジャマを50から60着ほど試して行き着いた「快眠のためのパジャマ」の黄金のルールをご紹介いたします。
<選び方の手順/まとめ>
- 吸湿発散性が高いものを選ぶ
- 伸縮性をチェック
- 長袖長ズボン
- ゆったりサイズを選ぶ
- 好みの肌触りか
- 品質表示をチェック(伸縮性があり吸湿発散性が高い素材)
安価でおすすめ:綿95%・ポリウレタン5%程度のもの
高価でおすすめ:モダール50%以上のもの
1.吸湿発散性が高いこと(汗をよく吸う)
人は寝ている間にコップ1杯分もの汗をかくといわれています。汗が肌にまとわりつくと、不快で眠りが浅くなります。
特に夏は発汗量が増えますし、通気性がよく蒸れにくいものを選びましょう。
冬場であっても就寝中にはかなり汗をかくので、汗を吸い取り発散してくれる素材であることは重要です。
2.伸縮性が高いこと(生地がよく伸びる)
私たちは就寝中に何度も寝返りを打ちます。伸縮性があると寝返りが打ちやすくなります。
逆に伸縮性がないと、そのたびに体が引っ張られて、眠りが浅くなります。
3.長袖長ズボン
暑がりの方は、「夏に、長袖長ズボンで寝るなど考えられない」という反応を示す人もいると思います。しかし、布地は薄めのものにした上で、夏でも長袖長ズボンがいいのです。
というのは、就寝中にかいた汗を素早く吸い取ってくれるからです。半袖半ズボンで腕や脚にかいた汗を放置しておくと、ベタベタして不快なので眠りが浅くなりやすいのに加え、汗が蒸発する際には必要以上に体温を下げてしまい、風邪をひきやすくなります。
4.ゆったりサイズ
ジャストサイズよりもワンサイズ上を選ぶことで、寝返りがよりスムーズになります。
ウエストのゴムも締め付けすぎないものがベスト。締め付けがあると血液の巡りが悪くなり、副交感神経が優位に働きにくくなります。
5.肌触り
肌触りも無視できません。肌触りが良いとリラックスしやすくなります。
つるつる、さらさら、ふわふわ⋯⋯好みは人それぞれですが、肌触りに不快感を抱いてはリラックスが得られません。実際に触って、気持ちのいいものを選びましょう。
6.品質表示をチェック
伸縮性と吸湿発散性を考えると、「綿95%・ポリウレタン5%」程度の、綿がメインの混合素材がおすすめです。ポリウレタンが少し入ることで、寝返りに適したストレッチ性が出てきます。
また、少々値段は高くなりますが、モダール50%以上のものは、薄くて肌触りがいい上にストレッチ性に富んでおり、寝心地は最高です。快眠度も高くなります。
なお、ポリウレタンの度合いが高いものなど、合繊メインのパジャマはおすすめできません。吸湿発散性が低いので、体が蒸れ、起きたときにあたかも「こたつ」で寝てしまったときのようなだるさ、疲労感が残ります。
シルクも根強い人気がありますが、平織りのシルクは滑りが良いので、寝ているうちにトップスもパンツも裾がめくれてしまい、露出度が高くなり、風邪をひきやすくなります。
こうした条件を満たすパジャマには、実は簡単には出合えません。私も一年に1枚出会えるかどうかです。
そのため、「これだ」というものがあったときには、多少高くても買っておくことをおすすめします。私は出張にも、パフォーマンスを考えて「マイパジャマ」を持っていきます。朝起きたときの疲れのとれ方が、ホテルのパジャマと比べて格段に違います。
快眠のためのパジャマ探しに、是非黄金ルールを参考にしてみてください。
「カバー」も吸湿発散性が高いものがおすすめ
パジャマと同様に肌に触れる「カバー」も、吸湿発散性が高いものが良いです。「洗練されたデザインと極上の肌触り」がコンセプトの昭和西川<SUYAーLABO>シリーズのかけ布団カバーをご紹介します。
掛けふとんカバー ダブルロング/リリカルペイズリー《SUYA-LAB/スヤラボ》
軽く、程よいハリ感のローン生地。
しなやかさと光沢のあるインド超長綿を使用しています。
商品レビュー
ピンクをセレクト。優しい色合いで、ペイズリー柄ですが控えめなデザインなので、比較的どんなお部屋にも合いやすいと思います。
肌触りは、シルクのようなしっとりとした風合いです。そして何よりも嬉しいのが「軽さ」です。シングルサイズでもわずか450gしかなく、カバーをつけても掛け布団の重さは、体感としてはさほど変わりません。
寝返りをスムーズに打つためにも、掛け布団は軽いことが重要ですので、これは皆さんにも是非一度試していただきたい優秀な1枚です。超長綿は「軽くて丈夫、なめらかな肌触り、吸収性がある」という特徴がありますので、これからの季節にもぴったりですよ。