何となく、そろそろ交換した方がいいのかも‥・?そう感じても、明確な判断がつきにくい寝具の換え時。
とくに劣化による影響が大きい敷き寝具(マットレス・敷き布団)は、次の項目をチェックしてみてください。
- 起床時に体がだるい、腰に違和感がある
- 手の平で押さえると、お尻部分(マットレスの中央辺り)が凹んでいる
- シミやカビがある
- いやな臭いがする
三橋美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)
全国での講演活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュースも手がける。著書に『眠りのさじ加減 65歳からのやさしい睡眠法』(青志社)ほか多数。
わかりやすく実践的なアドバイスには定評があり、NHK「あさイチ」TBS「ひるおび!」日本テレビ「ヒルナンデス!」など、テレビ番組にも出演多数。
●ポイント1:理想の寝姿勢を保てない
敷き寝具には体の重さ数十キロがダイレクトにかかるため、だんだんへたって体を支える力が弱くなってきます。とくに臀部(お尻まわり)は体重の約44%もの重さがあるため、もっともへたりやすい部分です。臀部が落ち込むことで、理想の寝姿勢が保てなくなるため、起床時に「体のだるさ」「腰に違和感」が起こるのです。
敷き布団は綿を使っているのでマットレスよりへたりが早く、3~5年が交換の目安。マットレスは5~10年です。製品の仕様や使い方によって、寿命は変わってきます。お尻が当たる部分を手の平で真上から押さえて、他の部分より凹んでいれば、買い替え時と思ってください。
●ポイント2:清潔に保てなくなった
汗や汚れがしみ込んで、カビや異臭がすることも、買い替え判断の目安です。そもそも寝具の中は温度約33℃、湿度約50%で、ダニやカビが好む高温多湿の環境になっています。カビの胞子を吸い込むと、アレルギー疾患の原因になりますから気をつけましょう。
●長持ちさせる方法
朝起きたら掛け布団を足元に畳んで、汗をかきやすい背中部分の湿気を飛ばしましょう。湿気を含んだままだと、カビが生えやすくなるだけでなく、へたりも早くなるからです。食器を洗うスポンジは最初は硬いのに、だんだん腰がなくなってフニャフニャになっていくのと同じです。週に一度は外に干したり、布団乾燥機をかけてメンテナンスしましょう。
「三つ折マットレス」と呼ばれる、3つに分かれていて中のウレタンを出し入れできるタイプの場合は、ローテーションすることで寿命を延ばすことができます。真ん中を足元へ、足元を頭部へ、頭部を真ん中へと、ウレタンの場所を変えていくのです。腰に違和感を感じたら、入れ替えてみてください。
しっかりメンテナンスしながら、タイミングを見極めて買い替えることで、快適な睡眠環境をキープしていきましょう。