本コラムは「快眠セラピスト・睡眠環境プランナー 三橋美穂の睡眠情報サイト
「眠りの悩み別 快眠アドバイス 冬の寒さで眠りが浅い」に掲載されたコラムを転載した内容です。
寝室が寒ければ寝具の量を増やせばいい、そう思って寒さを我慢していませんか。 実は冬の寒い寝室は、浴室と並んでヒートショックが起こりやすい危険な場所です。
ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧が大きく変動することをいいます。心筋梗塞、心臓麻痺、脳梗塞などを起こす危険性があり、年間1万人以上が命を落としています。

睡眠中は布団の中の温度は約33℃になります。夜中にトイレに起きるときに、寝室が10℃だとしたら、その差は実に20℃以上。ヒートショックを起こしやすいのです。
エアコンやヒーターを使って18℃以上を保つようにしましょう。

部屋が寒くなる一番の原因は、窓にあります。室内の温かい空気が窓際で冷やされて、床に滞留します。
冷気を防ぐには、窓の断熱が効果的。断熱シートを貼ったり、断熱カーテンを床までかけて、冷たい空気は窓際でブロックしましょう。
予算が許せば、内窓をつけて窓を二重にするのは効果が高い方法です。

寒いからといって掛け寝具を増やしすぎると、寝具の重みで体が圧迫されて、かえって血行が悪くなってしまいます。
掛けるものは2枚以内にして、あとは敷き寝具の保温性を高めましょう。
ウールやキャメルの敷きパッドを使ったり、敷布団を2枚重ねたり、アルミシートを敷き布団の下に敷くと、保温性が高まります。

寝るときに布団の中が人肌くらいに温まってると、寝つきがよくなります。
湯たんぽや布団乾燥機を使って、あらかじめ温めておきましょう。
電気毛布を使う場合は、事前に温めておき、寝るときにはスイッチを切るか「弱」にしましょう。
温めすぎると深部体温が下がりにくくなり、睡眠が浅くなります。

米カリフォルニア大学の研究では、睡眠時間が5時間未満の人は、7時間を超える人と比べて4.5倍ウイルス感染率が高い(オッズ比)と報告されています。
睡眠不足に気をつけて、冬も健康な毎日を過ごしましょう。

三橋美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)
全国での講演活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュースも手がける。著書に『眠りのさじ加減 65歳からのやさしい睡眠法』(青志社)ほか多数。
わかりやすく実践的なアドバイスには定評があり、NHK「あさイチ」TBS「ひるおび!」日本テレビ「ヒルナンデス!」など、テレビ番組にも出演多数。