良性発作性頭位めまい症とは

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良性発作性頭位めまい症とは
良性発作性頭位めまい症(以下BPPVと呼びます)はめまい患者さん全体の約半数を占め、とくに60歳代以降の女性めまい患者さんにおいては約70%を占めると考えられています。
基本的には数週間で治ってしまう予後良好な疾患ですが、めまいセンターに来院される方の中には、一年に何回もめまい再発を繰り返す方や、数ヶ月から数年、十数年もの長期にわたり、ふわふわ感に悩まされる方も少なくありません。

BPPVという病気は、内耳の卵形嚢という水平なお皿の上にあるカルシウムでできた耳石が、加齢、骨粗鬆症、内耳疾患、頭部打撲などの原因で剥がれ、頭を低くして就寝する際に垂直になった卵形嚢のお皿から耳石がこぼれ、めまいを感じる三半規管に落下するところから始まります。
そうなると翌日から、寝起き、寝返り、立ち上がる、振り向く、見上げる、見下ろす、うなずく、美容院や歯科医院でイスを倒されるなど、頭や体を動かすと三半規管内に落下した耳石が転がり、耳石が代謝消失するまで、ふわふわ感に悩まされることになります。
とくに加齢、骨粗鬆症が原因で毎日のように耳石が剥がれ続けることになれば、十数年もの長期にわたり浮遊感が持続することになってしまうわけです。
三半規管内に落下した耳石を、元あった卵形嚢に戻す頭位治療が有効とされ、世界中で行われています。
しかし、毎日のように耳石が剥がれ、毎晩のように剥がれた耳石を三半規管に落下させているBPPV患者さんには、頭位治療は通用しません。
めまいセンターではこのような難治性BPPV患者さんに対して、今晩から頭を高くして耳石を三半規管内に落下させないように寝てください、と指導しています。~耳石に優しい~
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北原 糺 教授監修

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