朝食がカギ!睡眠の質とパフォーマンス力をあげる
まずは時短メニューからチャレンジ

2024年2月8日

睡眠の質を上げる第一歩は体内時計を整えること。その為に必要なアクションが「朝食を摂ること」なんです。
体内時計を整えることで、心身ともにベストな状態を保つことができます。言い換えると、朝食をないがしろにすれば、一日中、冴えないあなたになってしまうのです。
今回は、体内時計を整えるために欠かせない「朝食」についてご紹介いたします。

INDEX

1.体内時計をリセットするには?
2.朝食は1日の活力の源
3.セロトニンをつくるための食品
4.忙しい朝におすすめの時短メニュー
5.目指すのは「食べながら日光浴」
6.明日から実践!パフォーマンスUPさせる朝食の摂り方まとめ

体内時計をリセットするには?

おそらく、多くの人は「体内時計」という言葉を聞いたことがあると思います。この体内時計は、人類が誕生したときからその生命維持メカニズムに組み込まれている、とても重要な機能です。しかし、睡眠に悩んでいる人は漏れなく、この体内時計を狂わせています。
睡眠の悩みを解決するためには、まず体内時計を整えることに重点をおきましょう。体内時計はメインの親時計の他に、子時計を持っています。親時計は、脳の「視交叉上核」にあります。この親時計は、朝起きて太陽の光を網膜で感じることで整います。
一方、子時計は胃腸や肝臓、肺など全ての内臓器官、血管、筋肉、肌、髪の毛などの体のあらゆる細胞の中にあります。それらの莫大な数の子時計は、朝の日差しだけでは整いません。子時計は、朝起きて日差しを浴びてから1時間以内に朝食を摂ることでリセットできます。

朝食は1日の活力の源

親時計と子時計の両方が整うことで、体はベストな状態で働くことができます。朝食を抜くと、子時計がリセットできないために「何だかだるい」「何だか調子が悪い」ということになりかねないのです。そう意味でも朝食は1日の活力の源。必ず摂りましょう。
また、朝食を抜くと、昼食を摂った時の血糖値が急上昇します。その結果、眠気やだるさに襲われ、午後のパフォーマンスが著しく低下します。朝食は一日のパフォーマンスを左右するのです。また朝食の時間がバラバラだと、時差ボケと同様のことが体に起こります。毎朝同じ時刻に朝食を摂ることが理想です。

セロトニンをつくるための食品

睡眠ホルモンである「メラトニン」に変化するセロトニンは、タンパク質に多く含まれる必須アミノ酸である「トリプトファン」と「ビタミンB6」、そして「炭水化物」の3つ栄養素が揃うことでつくられます。

<それぞれの栄養素が多く含まれる食品>

トリプトファン 大豆食品(味噌、豆腐、納豆など)、乳製品(牛乳、ヨーグルト、バター、チーズなど)、胡麻、ナッツ、卵、肉、魚
ビタミンB6 魚(カツオ、マグロ、サケなど)、レバー、豚肉、ニンニク、生姜
炭水化物 米、パン、麺、芋、フルーツ

忙しい朝におすすめの時短メニュー

3つの栄養素をバランスよく摂ってほしいのですが、朝は時短が大事。ステップごとに時短メニューをご紹介します。

<ステップ1>バナナ
朝食を摂る習慣がない人は、まずここからスタート。
バナナは唯一、単品でトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物の全てが入った食品です。
もし、朝から食欲が湧かないという人は、前日の夕食の量が多いか時間が遅いことが考えられます。それによって睡眠の質を下げていると予想されますから、夕食から改善しましょう。

<ステップ2>
和食・・・ご飯、胡麻、海苔、かつお節
     ※納豆、梅干し、しらすなどを追加すると◎
洋食・・・パン、バターorチーズ

ご飯は「玄米」または「分つき米」、パンは小麦胚芽入りや全粒粉のものにすると、ビタミンB6も同時に摂ることができます。

<ステップ3>
和食・・・ステップ2に加えて 味噌汁を追加
     野菜沢山&肉or 魚を入れると◎
洋食・・・ステップ2に加えて スープを追加
     ハムエッグや茹で卵を追加すると◎

ステップ3まで実践できるとあさから栄養がたっぷり摂れます。私はあらかじめ、味噌とだしを混ぜ合わせた「だし入り味噌」をつくってストックしています。お湯を注ぐだけで美味しい味噌汁の出来上がりです。味噌は大事なタンパク質原でトリプトファンも含まれています。

大事なのは継続です。まずは材料を揃えること。そして前の晩から準備しておくなど、少しでもハードルが低くなる工夫をしてみましょう。

朝ごはんは日光浴ができる場所で摂るのがベスト

午前中の日差しを効率よく浴びるには、朝食の時間は貴重です。目指すは「食べながら日光浴」すること。家の中で、朝の日差しが最も入る場所を見つけてテーブルを移動しましょう。温室にいるときのような、ふんわりとしたぬくもりがえられる場所がベスト。
日差しがまぶしいようなら、レースのカーテンを引くなど工夫してください。家にベランダがある人は、ベランダで朝食を摂ればセロトニン分泌も確約されるので一石二鳥です。朝食は、太陽のぬくもりを「気持ちいい」と感じながら、できれば30分かけてゆっくりと摂ることが理想。

明日から実践!パフォーマンスupさせる朝食の摂り方まとめ

●朝起きて日差しを浴びてから1時間以内に朝食を摂る
●毎朝同じ時刻に朝食を摂る
●3つの栄養素「トリプトファン」「ビタミンB6」「炭水化物」をバランス良く摂る
●日光浴をしながら30分かけてゆっくり朝食を摂る

食事は体内時計を整えることに大きく寄与しています。朝食を大事にすることで、睡眠の質や体調の変化も感じられるはず。朝食をきちんと食べてパフォーマンス力向上を目指しましょう!

西川ユカコ/睡眠研究家

昭和西川株式会社 代表取締役副社長 「睡眠サービスコンソーシウム」理事
「ミス日本」ファイナリスト勉強会講師 NHK文化センター青山教室講師

雑誌編集者としてハースト婦人画報社に10年間勤務。現在は昭和西川副社長として、眠りの総合サロン「ムアツスリープラボ」をプロデュースし所長を務める。
また、各界の専門家と快眠のためのグッズ開発、ホテルや施設の睡眠やお昼寝監修、各種メディアへの寄稿などを行っている。

著書「最強の睡眠(SBクリエィティブ)」はAmazon脳神経科学・神経内科学部門で1位を獲得し、中国、韓国、香港、台湾、マカオなどでも翻訳版が発売中。
主な出演実績:NHK「あさイチ」、フジテレビ「めざましテレビ」「ノンストップ!」、FM東京「ブルーオーシャン」、J-WAVE「ゴールドラッシュ」、TBSラジオ「小森谷徹のFINE!」
婦人画報、GOETHE(ゲーテ)、週刊朝日、週刊現代、Forbes(フォーブス)UIA(マキア)など。クロワッサン、ELLE(エル)、FIGARO(フィガロ)、日経WOMAN、MAQ