短時間睡眠は、あなたを老けさせる
見た目への印象と睡眠不足について

2023年12月27日

人生の質を左右するといっても良い睡眠。「最近は猫背になりがち」「肌荒れが目立ってきて、表情もどんよりしているかも」と思ったら、睡眠時間が不足しているサイン。もしかすると周りにハキのない印象を与えているかもしれません。
今回は睡眠不足が引き起こす、見た目への印象についてご紹介します。

◆睡眠不足が肌のハリもツヤも失う!シミや皺の原因にも

よく眠れていない人は肌がくすみ、白目の部分もクリア感に乏しく「どんより」した印象になります。寝不足になると、交感神経が優位になり、血管がきゅっと締まり血液が十分に流れないことが原因です。
本来であれば、夜は副交感神経が優位になり、リラックスして深い眠りに入れるように私たちの体はプログラミングされています。そして、血管は拡張し、血行がよくなって毛細血管の隅々まで血液が行き渡り、栄養を補給すると同時に老廃物を引き取ってくれる働きをしてくれます。睡眠中に分泌される成長ホルモンによって新陳代謝が促進され、体中の細胞が再生されるのですが、睡眠が足りないと成長ホルモンがあまり分泌されません。その結果、新陳代謝も悪くなり、「ハリ」も「ツヤ」も失われた肌になってしまうのです。

◆睡眠不足は顔の印象も姿勢も悪くする

抗重力筋(こうじゅうりょくきん)という、地球の重力に対して姿勢を保持するために働く筋肉があります。
この「抗重力筋」は、睡眠不足によって働きが弱くなります。その結果、まぶた、口の周り、頰など顔の筋肉はたるみ、姿勢も悪くなりやすく、老けてハキのない印象を与えてしまいます。要するにヨレヨレになってしまうのです。

◆影響は肌だけにとどまらない

体中の細胞の代謝が悪くなれば、内臓も筋肉も骨も老化していきます。肌がくすんでいる方は、体の内部の老化も進んでいるといえるでしょう。加えて、副交感神経の働きが悪くなって血管が収縮していた場合、血圧もあがり、血糖値も高くなることが分かっています。
また、睡眠中には免疫細胞の修復も行われますが、短時間睡眠や眠りの質が悪ければ、免疫細胞の力も弱まります。すなわち風邪をひきやすく、治りにくくなってしまいます。睡眠を甘くみると、あらゆる病気にかかりやすくなってしまのです。

◆寝具環境を整えて快眠度をあげる!

睡眠の質を上げるために、まずは睡眠時間を延ばすように心がけましょう。いつもより30分〜1時間でも早くベッドに入ることを意識してみてください。
また、質の良い眠りには、体に合った寝具や季節に合った寝具も欠かせません。寝室環境を整えて、快眠度を上げましょう。

西川ユカコ/睡眠研究家

昭和西川株式会社 代表取締役副社長 「睡眠サービスコンソーシウム」理事
「ミス日本」ファイナリスト勉強会講師 NHK文化センター青山教室講師

雑誌編集者としてハースト婦人画報社に10年間勤務。現在は昭和西川副社長として、眠りの総合サロン「ムアツスリープラボ」をプロデュースし所長を務める。
また、各界の専門家と快眠のためのグッズ開発、ホテルや施設の睡眠やお昼寝監修、各種メディアへの寄稿などを行っている。

著書「最強の睡眠(SBクリエィティブ)」はAmazon脳神経科学・神経内科学部門で1位を獲得し、中国、韓国、香港、台湾、マカオなどでも翻訳版が発売中。
主な出演実績:NHK「あさイチ」、フジテレビ「めざましテレビ」「ノンストップ!」、FM東京「ブルーオーシャン」、J-WAVE「ゴールドラッシュ」、TBSラジオ「小森谷徹のFINE!」
婦人画報、GOETHE(ゲーテ)、週刊朝日、週刊現代、Forbes(フォーブス)UIA(マキア)など。クロワッサン、ELLE(エル)、FIGARO(フィガロ)、日経WOMAN、MAQ