腰痛の方にオススメの寝具とは?大切な敷き寝具の選び方

2023年10月12日

腰痛の約85%は原因不明と言われていますが、姿勢不良や加齢によって起こりやすくなることもわかっています。背骨と背骨の間でクッションの役割をする椎間板が減って、神経を圧迫することが痛みにつながるからです。
朝起きると腰に違和感がある…。
腰が痛くて眠れない…。
そんなときは、背骨が正しい位置にくる敷き寝具を選ぶことが大切です。

腰痛のイメージ

「背骨の正しい位置」とは、仰向けで寝ている姿を真横から見て、臀部(お尻)が沈んでいないことです。人体の体重比率は頭部 8%、 胸部 33%、 臀部 44%、 脚部 15%となっており、柔らかすぎる寝具は臀部が沈みやすく、正しい姿勢を保てません。腰に負担がかかるため、これが腰痛の一因となるのです。
それだけではありません。硬い寝具を使っていても、何年も使い続けるうちに臀部がへたってきます。「以前は快適だったのに、最近は起床時に腰に違和感がある」そんな場合は、手のひらで寝具を真上から何か所が押さえてみましょう。臀部が凹んでいる場合は、買い替え時です。

正しい姿勢の体重比率

硬い寝具を選べば間違いないかといえば、そうともいえません。硬すぎると腰の下にすき間が空いてしまうので、これも腰に負担がかかります。寝具の土台はしっかり硬く、表面のクッション層で背中の凹凸をバランスよく受け止める、そんな構造の寝具がおすすめです。
体型がスリムな人は体が沈みにくいので、土台はそれほど硬くなくても大丈夫ですが、合う寝具を正確に伝えようとすると複雑になるので、「迷ったら硬め」と覚えておいてください。柔らかい寝具を硬くすることは難しいですが、硬い寝具は上に敷きパッドやマットレストッパーを重ねれば、柔らかく調整することができるからです。

寝具のイメージ

実は枕の高さも、臀部の沈み込みに影響を与えます。枕が高すぎると頭部の位置が上がるため、臀部は沈みやすくなります。私自身、柔らかいマットレスを使っていた時に、試作品の枕を試したらぎっくり腰になってしまいました。その枕は、いつもより少し高かったのです。就寝時に「ちょっとお尻が沈んでいるかも」と思いましたが、まさかこんなことになるとは思わず、後悔しました(涙)
枕を低くすると腰が楽になることがありますので、試してみてください。

まくらのイメージ

腰痛がある場合、横向きで背中を丸めて寝ると、神経が圧迫されず痛みがやわらぐことがあります。そんなときは、抱き枕を使うと横向きで長時間寝やすくなるので、合わせて検討してみてください。
腰痛対策には、まず正しい姿勢を保てることが第一です。2番目に体圧が分散されて筋肉がリラックスできるかどうか、この2つをポイントに最適な寝具を選びましょう。

抱き枕のイメージ

三橋美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)

全国での講演活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュースも手がける。著書に『眠りのさじ加減 65歳からのやさしい睡眠法』(青志社)ほか多数。
わかりやすく実践的なアドバイスには定評があり、NHK「あさイチ」TBS「ひるおび!」日本テレビ「ヒルナンデス!」など、テレビ番組にも出演多数。