1971年発売以来、ロングセラーを続けている昭和西川のムアツの始まりは床ずれ防止のマットレスとして開発されました。宇宙ロケットのタマゴ型をヒントに、科学的な根拠を元に開発されました。臨床試験用として病院で採用された際には、床ずれ予防の好結果をえられました。
ムアツは、発売から50年以上経った現在も、使った方の喜びの声をいただいています。時代に合わせて改良を重ね商品数も増えていますが、基本の構造は開発当時のコンセプトをしっかり受け継いでいます。今回は、このムアツの構造についてご紹介します。
快適な寝心地はタマゴ型フォルム
「寝起きになんだか身体が痛い」と感じるのは、柔らかすぎる布団によって腰が沈み込んでしまうようなことなどが原因となります。寝るときにからだをしっかり支え、「背骨」への負担を軽くするためには、寝具の硬さに気を配ることが大切です。ムアツの最大の特長は、なんと言っても適度な硬さを持った特殊なウレタンフォームのタマゴ型フォルムです。この独自の凹凸構造に、体が沈み込まず一晩中正しい寝姿勢を保つことができるヒミツが隠されています。
計算されたタマゴ型フォルム
縦に置いたタマゴは、上下から加えられた力を分散し、数十キロという重みに耐えることができるのです。実は、この形状はロケットや新幹線の先端にも活かされています。
この力を分散させやすいタマゴの原理を利用して、人のからだの重みを受け止めてもつぶれないように敷き詰めました。
一つ一つのタマゴの点の山の最大沈み込み量は、25mm前後に設計しています。この計算されたタマゴ型フォルムによって、受け止めた体圧を水平・放射状にバランスよく分散させ、ムアツの点が移動することなく身体を支えて寝返りをうちやすくしています。
また、下からの反発力が大きい場合には突き上げを感じたりするため、この下から受ける力の面積を極力減らし、柔らかさと支え感(かたさ)のバランスを重視しています。独自のテストの結果を重ね、最適なバランスを保つために、連続したタマゴの凹凸間隔55mmに設定しました。
こうした計算されたタマゴ型フォルムによって、背骨が自然なS字カーブを取ることができ、正しい寝姿勢を保つことができるのです。
理想の寝具を求めた構造
衛生的で通気性も抜群な理想の寝具と言われるムアツ。計算されたタマゴ型フォルム以外にも、優れた構造の特性を活かしています。
凹凸構造が血行を妨げにくくする
寝ている時には敷き布団と接するため、体の表面の毛細血管が圧迫されて、血液の循環が滞ってしまいます。
ムアツは、点で支えて体に接する部分が少ないので、毛細血管を圧迫せず、血行も妨げにくくなります。
空気の流れを保つ凹凸がサラサラあったか
特殊開発をしたウレタンフォームの凹凸は、身体への接触部分が少なく、その空間部分が汗や湿度を拡散して逃がします。
また、暖かい空気を凹み部分に貯めるため、季節を問わず快適な温度と湿度をキープします。